ホームページへ行く

JUST KEEP BUYING

ニックマジューリ著の『JUST KEEP BUYIMG~自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則~』を読みました

ジャストキープバイイング

日本語のサブタイトルが内容とやや乖離しており残念な印象ですが、データサイエンティストによる貯蓄・投資のハウツー本としてはすぐれた作品だと思います。

この著作で特に重要な点が「貯蓄」と「投資」のどちらが必要かという論点を、データに基づき比較・検証していることです。

貯蓄はインフレ対策に対応できず、複利の効用も発生しません。しかしいざというときに手元にお金がないと生活は破綻します。そのことから貯蓄と投資のバランスが重要ということが見えます。本著では貯蓄について、「お金に余裕のない人は貯蓄すべき」「お金に余裕のある人は投資すべき」と一貫して主張しています。貯蓄は”できる範囲で貯金すべし”と、ある意味当たり前のような、ある意味真意をついているような表現をしています。そして、貯蓄のために必要なことは節約よりも収入を増やすことを上げています。

お金持ちになる王道とは突き詰めて言えば収入を増やし収益を生み出す資産に投資すること

収入を増やすには自分が既に持っている経済的な価値(人的資本)を活用することだと述べています。人的資本を金融資本(資産運用によって収入を得ること)に変換することが肝要である。そのためにも投資はした方が良いというのが本書の投資に対しての姿勢です。

投資について、いつ何に投資すべきかを。株式・債権・不動産などに分けてその長所と短所を提示してくれています。そして投資対象として最も良いのは株式であると断言しているのです。しかし本著では株式投資における、個別銘柄への投資に対して非常にネガティブです。何故ならば今までの市場動向において、S&Pのような投資ファンドと、個別銘柄での運用では明らかに前者が利益を創出しているからです。これらのデータを掲示してくれているあたりがこの本の最大の利点であると私は考えます。すくなくともアメリカ株に投資をする場合には、今後利益を創出し続けるであろう銘柄が確実には分からないという現実を鑑みる限り個別銘柄の選択よりもファンドの選択に力を入れた方が労力も少なくリターンも大きいのです。

では投資とはいつ行うべきか。老後資金のための資産運用はいつ始めるか。そしてどのように続けるか。憧れの生活へ向けた投資はいつごろから始めるべきか。本著はそれを『今この時』と断言します。

『行動を起こすに際して最高のタイミングは昨日であり、その次は今日だ、』

というのは古い格言ですが、投資の世界にもこれが通用するのです。投資は決断が遅れれば遅れるほど得られるリターンは少なくなるというのは過去100年間のデータから算出できます。市場はほとんどの場合、常に上昇をしている。暴落という悲劇が大きく報道され、また繰り返し語り継がれていることから、「投資家は常に恐怖と戦っている」と確信しているが、本当は違う。株価は感情で動くが市場は間違いなく成長し続けているということ。これを知れば投資するタイミングは今この時が最適であることが分かります。これをこの本はデータをもとに解説してくれています。

いつ買うか、どのように買うか。その答えは明快です。

できるだけ早く、頻繁に投資すべき―そして、買い続けることで投資の効用を最大化することができます

投資に興味のある方、投資に対して懐疑的である方、不安を感じている方にとっては必読の一冊であると私は確信します。ぜひご一読ください。

JUST KEEP BUYING


投稿日

カテゴリー:

,

投稿者:

タグ:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です